感想『さくら』西 加奈子著

最初の章が背景があまり語られないまま進んでいって、途中まではすごく各登場人物が幸福に包まれて描かれてるんですけど、ある時期から、ドカン!x2と奈落の底へ(笑)え〜〜このまま暗いまま終わっちゃうのって思う??ってところからやっと最後に再生の方向へ・・ 読み終わった後、すぐに最初の章を読み返しました。この最初の章は読み終わった後もう一度読み返すと、なんか『そうかぁ〜』ってじわじわとしみてくる感じ。途中で挿入されているおじいさんのお話もスキ。 そして、お話に出てくる、様々な愛の形・・そんな人たちが努めて普通に描かれてて・・若い人たちがそれを読んで“普通にアリ”と想ってくれる時代であって欲しいと想います。 私の涙のツボとは少し違う感じでしたけど(登場人物があまりに凄すぎて、逆に彼ら彼女らがダメな方向に堕ちても、現実感がないっていうか・・その感覚を共有できないっていうか・・)その辺は、もう少し普通の人々が揺れるようなお話のほうが心情的には共感できるかな・・。でも、すんなり読めました。スキか嫌いかと言えばスキなほうです。はい。