あおげば尊し

原作が私の好きな重松清さんだったので、わりと期待しつつも、最近読んだ重松さんの(あ〜タイトル忘れた)やつは、イマイチ後味がすっきりしないモノがあったので多少心配しつつ新宿で鑑賞。 テリー伊藤演じる小学校の教師とその父親(元教師)、そしてテリー伊藤が受け持つ生徒の中に『死』に異常なまでに感心のあるひとりの生徒。 たとえ一時的にその子に憎まれようとも、(自らが、こうあるべきという信念に基づき)生徒を厳しく叱る教師のあり方の是非..その辺の葛藤が物語りの周辺にありつつ、もう一方でリアルな体験として死を受け止める機会を逸してしまい、それ故に自らを責めて、それが『死』そのものへの感心へとつながっていき、『死の追憶』探しをする子供。 子供自身に『死』をどう昇華したかを語らせるのは無理だとしても、せめて、『どう感じたか、どう気持ちに変化があったか』その辺を(説明的になりすぎるかもしれないけど)一言でもイイので、なにか喋ってほしかったなぁ〜と思う。最後の葬式のシーンでの子供の表情がそれを語っていたのかもしれませんが。 最後のシーンで形式的にあの歌で終らせるよりも、いま、この時、あの子供がどう感じとったかを表現したほうが、『嘘臭く無い』感じになったんじゃないかなぁ〜と思う。教師と生徒との関係。その二人を語らせるシーンで終っても良かったんじゃないかと思う。最後がちと強引というか無理があった感じでした。