川端龍子展@江戸東京博物館

この方を知ったのは昨年の8月に国立近代美術館で『草炎』という作品に出逢ったから。その作品があまりに凄かったので・・・もっと作品を見たいなぁ〜と思っていたら、土曜日から両国にある江戸東京博物館にて生誕120年ということで企画展が行われていたので行ってきました。 感想としては、すごく良かったです!。とくに前半の大戦前までの大きな作品が。一番感銘を受けたのは『潮騒』って作品。画面中央に大きな岩が書かれていて、それによって左右に判られている磯の海・・右側は明るい緑で波跡がぱぁ〜と書かれいて明るいのに対して、左側は濃い藍色で塗られていて、あまり大きな動きが無いようにみえるけど・・そこで鳥が2羽飛んでいて・・中央には岩に砕ける白い波・・画面全体がこう・・波を打っている水面をホントによく表していて・・写実的って感じもするけど・・色使いといい、構図といい、もうカチっ!って決まってる! その他にも、一天護持では、力強い指の表情と黒で表現される肉体、そして背景に匂い立つ気迫・・、慈悲光礼讃(朝・夕)での蒼い楓の色遣いとなんと、なんとも言えぬ牛(?)の存在感、源義経ジンギスカン)での画面を覆う淡い雰囲気と現代風な感じ。これらの作品はホントにすげぇ〜って感じでした(表現力無くってすんません) 逆に肩すかしだったのは草の実、これは草炎ほどはクルものがなかったなぁ〜なんでだろう・・草炎を観た時は筆の勢いとか、色の輝きとか・・すごくクルものがあったんですけど今回の草の実はそれほどではなく・・どちらかと言えば落ち着いた雰囲気でした。 あと、1910年代に書かれた少年向け雑誌の双六のイラストとかもすごくあの時代の雰囲気を感じるコトができましたし・・・全作品を通して感じることができたのは・・ああぁ〜この人って、明確に伝えたいことを持っていて、すこしもぼやけた感じはなくカチッ!とした表現でモノを表している人だなぁ〜と思いました。そして作風もちっとも古く無いというか、その時代で立ち止まって無いというか・・・古いとは少しも感じませんでした。 ただ晩年のほうはあまり作品が展示されて無かったので判りませんが・・・今回の展示だけだと・・勢いは無くなっているような・・感じがしました。それと・・今回の企画展・・図録の印刷が間に合って無くって・・跡から宅配で送るってコトになっていたのが残念。あと、一番最初に取り上げた潮騒の絵に・・展示ガラスを出し入れする扉の部分が被っているのは残念。(っていうか・・作品が大きいってのもあるのでしょうが・・あのようにガラス板が一枚モノでないのは非常に残念・・どおしても作品を見るのに邪魔になってしまうので・・ ちなみこの画像が博物館の外観。すごく変わってる!!一階はすごく広〜いスペースになっています。あと両国駅自身も初めて降りたのですが・・駅構内には力士の絵が飾ってありました。